FF8のリノア=アルティミシア説は言うほど根拠はないよって話
巷ではリノア=アルティミシア説が話題になることがあります。
別にそれ自体は何も悪くないし、むしろ一つの説としてはロマンもあって面白いとは思いますがどうにも公式設定とか根拠があるから明言されてないけど公式扱いできるレベルだ、というところまで妄信されて周囲にゴリ押しされてしまうと、流石に「それは違うよ!」となってしまうわけです。
そもそも考察というのはそこにある情報が「こういう繋げ方したらなんかそれっぽくなる!」という一種の論理パズル的な遊びだと思っているので、そういう意味では完全な否定というのも100%の肯定というのも難しいものではあるのですが。
ただ、後付け設定などいくらでもできる昨今で「今」の設定がどうかは置いといても、FF8当時の時点では言うほどは根拠はなかったしそんなに確固とした主張ができるほどの根拠があったわけではないんじゃないかな? という。
ということで、すでに手垢のつきまくった話題ですし多方面から否定、疑問も投げかけられてはいますがそれはそれとして何番煎じかは知らないけど個人的にこういった状況だからとても公式設定とは呼べるものではなかったよ、あくまでひとつの説でしかないので流石に公式だなんだとゴリ押されるのはあんまり気分がよくないよという話をつらつらとしていこうかと思います。
そもそもどこからそういう説が出たのか
遡れる最初の主張とされるページはすでに消えており、インターネットアーカイブでその名残が確認できます。
・元々のURL
http://kissmoon.org/egg/heart/chara/ultimecia.html
言ってしまえば一二次創作サイトの片隅の主張だったわけです。
それでまあ、もちろん二次創作している人が言うことがすべて的外れだなんて言うつもりはないんですが、ちょっとあわせてこれを見て下さい。同じ方のされている別の話です。
そのものずばり書いていたページはログがもう見当たらなかった(当時見た記憶はあるんですが)のでその話題に触れているページなんですが、「レインのピアスはティファのピアスと同じでスコールの瞳の色がクラウドと同系統だからレインはティファ(とクラウド)の子供でしょ」って真面目に主張されてるような方なんです。
もちろん個人的にはそれはそれで面白いし妄想も捗るので結構好きだったりするんですが、少なくともそんなものを公式設定だとは思いません。与太話ですし「俺設定」の域を出ないものだと思っています
(俺設定についてはこちら→俺設定同盟)
リノア=アルティミシア説はそういう与太話からスタートして、面白がってそれっぽく後付けで他の人も補強していった、まさに二次設定の最たるものであるということは知っておいてほしいなと思います。(そしてそれを面白がって公式がネタを拾っていること、もしかしたら今後二次創作の逆輸入だってありえることは否定するものではありません)
※サイト移転後のアドレスが見つかったため追記。内容はインターネットアーカイブで確認できる部分と特に変わっていないようです。
アルティミシアが時間圧縮した理由や過去に遡って本編の時代に来ている理由について
とりあえずこのへんから始めましょう。「アルティミシアはリノアだからスコールに殺してもらうために過去に来たんだよ!」ってやつです。
これについてはそもそもゲームの時点でライブラをしたときに「全ての時代に生きる魔女の力を取り込んで、世界を己の思うままに作り直そうとしている」と表示されるようになっており「魔女の力を取り込んで雑に言えば世界征服したい→魔女の力を取り込むためには時間圧縮が必要→時間圧縮のためにここまで遡ってきた」というのが明確なため、その主張は公式の設定を否定する、あるいは公式の言い分は表向きでしかなく裏に別の意図があると主張することになります。
しかし公式の設定を否定するのはまともな考察とは言えず、裏に別の意図があるという主張は「リノアがアルティミシアだから」という結果あっての主張のため、それ自体は根拠にできるものではありません。
(追記:シナリオ上隠された設定があり、それによりストーリー上で表向きの説明と本当の設定が食い違うことはありますが、そういった場合はそれまで語られてきたことが嘘であるという証拠も作中に出てくるのが普通です。アルティミシアが時間圧縮をする裏の理由があると主張するのであれば、その裏の理由の根拠と表の理由を否定するだけの根拠が必要です。時間圧縮の裏の理由を示す具体的な根拠を提示した主張を自分は見たことがありません。きつい言い方をすればその方が「エモい」からという単なる感情論しか見たことがないです)
そして時間圧縮は力を手に入れるための手段であり、目的は自分の思い通りの世界を作ることであって、ある意味ではどうしようもなく「未来」を見ているわけです。過去をどうにかしようとしてるのではなく、これからをやり直そうとしているのだから。
そしてエルオーネを狙っているのはエルオーネを使ってさらに過去に接続してもっと力を手に入れようっていう話なので(このあたりもストーリー中で普通に触れられているはずなのにあえてなのかどうなのかは分かりませんが無視されてます)何の謎もないし、目論見通りと言えるかは微妙ですが過去のアデルに接続できた時には時間圧縮が始まっている(力を取り込もうとしている)んですよね。
公式の設定と特に矛盾した描写もなく、このあたりを「根拠」として持ち出すのはちょっと分が悪いと思います。
リノアの顔とアルティミシアの顔が重なるよって話について
目の位置や鼻の高さが重なる(画像はない)。
実際に探して画像を見ても目の形とか違うようにしか見えないんですが、そのあたりは画像の粗さとかもあるので正直性格な元画像を用意できる環境でないためなんとも言えないところではあります。
(追記:その後実際にプレイして確認しましたがやはり自分の目には重なっているようには見えません。そもそもリノアって割とたれ目ですがアルティミシアは別にたれ目じゃないですよね…?)
ただ、さも「サブリミナルでリノアとアルティミシア二人【だけ】顔が重なるように演出されてるよ!」と言わんばかりであるのは随分なミスリードではないかと。
ED中でリノアの顔を思い出そうとして最初に重なるの(というかノイズとして出てくる)はサイファーの顔だし、次は言えなくても仲間たちの顔が出てくるし、イデアの顔までサブリミナル的にちらつくんですね。アルティミシアの顔が出てくるのはそれこそ全体としては他のキャラよりずっと少なく、むしろイデアや、それこそサイファーの方がよっぽど重なっているんです。果てはゼルの顔まで出てきます。
そもそも重なると言っても同じアングル、同じ大きさの顔が交互に出てくるわけではなくてぼかされて歪んでいるリノアと切り替わりで別のキャラの顔のアップ(当然顔の大きさとかアングルはバラバラで本当の意味では「重なって」いない)が出てくるだけであり、アルティミシアの顔が出てくるタイミングではリノア自体が一旦消えたタイミングであって二重の意味で「重なって」ません。
その時点でアルティミシア「だけ」をリノアと重ねるのは随分とずるいことだと思います。
あんなに大切だった相手のことが記憶がぐちゃぐちゃになって思い出せない。他の人間の顔と重なる。それでも必死に思い出そうとしてやっと思い出せたのは宇宙空間で彼女が……というシーン。別に抱き着こうとしたリノアの顔がアルティミシアに重なったから泣いたわけじゃないんです。ダンスしているリノアの顔に次々別人の顔が重なる(そのなかにちらっとアルティミシアもいる)→抱き着く寸前で宇宙で死んだリノアを思い出す→泣く、なんです。むしろ最後に重なったのは空洞スコールの顔ですし。
混乱する記憶の中で「俺には大切な人がいたはずで……違う違う、そうじゃない、そうじゃなくて……そうだ、思い出したぞ!(死んだところを!)」→ショックで倒れる
というシーンで、ショックを受けてる理由も混濁したなかでやっと思い出せた彼女は死んでおり自分は一人なんだと思い込んでしまって絶望したというのが割と素直に取った場合じゃないのかな、というところで他のキャラクターとも顔が重なっていること、そして他のキャラクターと顔が重なる理由を考えずにアルティミシアのことだけを恣意的に抜き出して重なる、同じキャラだからだ、というのはちょっと話が飛躍しすぎではないかと思います。
本当に顔がそっくりそのまま同じ顔で重なるというなら割と真面目に比較画像を見せて下さいとは。今FF8起動できないから探して見つかった粗く小さい画像くらいしか資料がなくて困っているので。
EDでリノアの羽が黒くなったという話について
どのシーンのことですか……?(困惑)
何度か見返してもそれらしきシーンが分からなかったのでこれがどこのシーンを指しているのかご存じの方がいたら教えて頂きたいです。
EDの宇宙服リノアの頭部ガラスが割れるシーンのガンブレードの音について
補足すると、リンク先とは別にリノアの死の描写とガンブレードの音が重なっている=アルティミシアをガンブレードを使って倒した=リノアとアルティミシアが同一人物であるという証明、みたいな話を聞いたので。
確認したところ、OPで白い羽が頭上に上がり、ガンブレードが入れ替わりで落ちてきた時のガンブレードが刺さった音と同じように聞こえました。
ムービーシーンでは他にもガンブレードのSEは存在しており、サイファーとチャンバラしている時は別のSEが使われていました。本当に「切りかかった」ことの暗喩であるなら他にふさわしい音があるのに地面にガンブレードが刺さった音をSEとして用いるのは不自然ではないかな、とも思ったのですが素人が安物のスピーカーで聞いて思ったことなのでそこはあまり参考にはならないなと思いなおしました。
ただ、シーンとしてはOPとEDが繋がっており、スコールが絶望した=武器(戦う、前に進む力)を手放した=地面に刺さった ことを示しているのだとしたらちょっと面白いですね。
もしそうだったら、の話ですが。ここはちょっとよくわかりません。
未来に乗り込んだ時に最初に出る場所がはじまりの部屋であることについて
※改定
この件についてFF8を復習していて気付いたことがあるので全面的に改訂しました。一応下に前の文章を残しています。
そもそもこの話は時間圧縮が開始した後に操作可能になるタイミングで訪れる場所が「はじまりの部屋」であることから、恋が始まった(物語中にリノア自身がスコールの「俺の側から離れるな」という言葉に対して「その言葉が(恋の)はじまりだったの」と返すシーンがあり、最初にそれを言った場所=暗殺ミッションでリノアを救助した場所=はじまりの部屋と同じ形をしている)場所に出るなんてやっぱりリノアはアルティミシア!とか、恋が始まった場所にはじまりの部屋なんて名前がついてるんだから以下略といった主張をされているケースがある、というのが前提にあります。
でも久々にちゃんと話を追ったらなぜはじまりの部屋にたどり着いたかちゃんと作中で示されてました。自分もすっかり忘れてましたが。
まず、アルティミシアを倒すためにスコール達がそもそも何をしようとしていたかを思い出して下さい。彼らは「時間圧縮された世界を未来へ進んでアルティミシアの所まで行こうと」していました。
そのためには「互いの存在を強く認識する」ことが重要であることが事前のラグナとのミーティングでもはっきり明言されています。「仲間同士お互いの存在を信じあうこと」で存在を固定しようとしたわけです。実際成功してますね。
そしていざ時間圧縮が始まった時、スコールは未来に乗り込むためにセルフィのどこへ行くのか(=どういった共通認識を持つのか)という問いに対して「イデアの家へ」と帰します。これは彼らにとってイデアの家が幼少期を過ごした場所であり、各個たるイメージとして想像し易かったからでしょう。
ところがリノアはそれに対して「私きっと消えちゃうな」と言うのです。これはリノアが一人だけ彼らとは別の場所で幼少期を過ごしているためであり、彼女にとってのイデアの家は友達や好きな人が過ごした大切な場所ではあってもはっきりとしたイメージを持つことが難しい場所であるからでしょう。
また、リノアは依然から(トラビアガーデンのあたりのイベントでわかりますが)軍事訓練を受けて来た他のキャラとの距離に悩んでいる節がありました。そういったことも彼女を弱気にさせた原因でしょう。
そんなリノアの発言にスコールは「俺の側にいれば大丈夫だ」と答えるわけです。これどっかで聞いたことありませんか?
そう、彼女の恋が始まった時のスコールの台詞。「俺の側から離れるな」と近いことを言っているわけです。
だから彼らは最初の目的とずれたはじまりの部屋に落ちたんです。スコールがリノアに俺の側にいれば大丈夫だと言ったから。リノアが恋の始まりを想ったから。
つまりこの流れはスコールとリノアのイチャイチャイベント(語弊)であり、アルティミシアには一切関係ない話なんですね。リノアがアルティミシアだろうがそうでなかろうが一切無関係に二人のいわば雑念から事故ってイデアの家に行くつもりがちがう場所にワープしちゃったてへぺろ☆という話でありはじまりの部屋という名前もアルティミシアは無関係です。
(旧文章)別にはじまりの場所という名前はアルティミシアがつけたものだとは限らないのでは……?
もちろんゲーム的なメタというのはありますし、どうしてそこにそんな名前がついているのかというところを考え出すとそれこそ答えは出ないのですが。
要素としては否定はできない、そう考えることもできる、部分ではあります。
約束の場所であるイデアの家がアルティミシア城と繋がっているという話について
「約束した場所は花畑であって家そのものではないのでは?」という。
もちろん花畑は家のすぐ近くにある場所ですし、絵面として花畑に鎖は繋げないし、というのはわからなくはないのですが、それならせめて「約束の花畑があるイデアの家」と言うべきであってむしろ家そのものにはそれほど思い入れがないのに逆になぜ家に鎖が繋がれているのか、本当に同一人物なのであればおかしいのではないか、という話にしかなりません。
OPもEDもあくまで花畑です。
どちらかと言えば個人的にはSeed誕生の地だから、という方がしっくりくるかとは思います。
※追記 実際の場所について確認しましたが、スコールとリノアの約束の場所は「家の横手に行ったところにある花畑(の前)」であり、鎖で繋がれていたのは「家の中に入って勝手口から出た先にある海岸」です。
それを「同じイデアの家だ」と主張することはもちろんできますが、逆になぜOP・EDとあれだけ約束の場所が「花畑」であると強調されているのに繋がっているのが家の奥の海岸なのでしょうか。本当に「リノアがアルティミシアでスコールのことを待っている」ならわざわざ花畑を外す理由がありません。同一人物説を推すのであればむしろ約束の場所からずれている理由の説明が必要だと思います。
※さらに追記 前述の通りスコール達はそもそも「イデアの家をイメージの起点としてアルティミシアのところに乗り込む」ということを目的にしていたので、そちらの方向から考えるならそもそもイデアの家とアルティミシアの城を繋げたのはスコール達でありアルティミシアの意思とは無関係であると言えます。つまりどっち方面から考えても根拠にはならないんじゃないでしょうか。
アルティミシアがグリーヴァという名前を知っていたことについて
これについては色々と切り口があります。
まず一つは、「現在」グリーヴァの名を知っているのがスコールとリノアだけでも「未来」もそうであるとは言い切れず、アルティミシアは未来の住人だということ。
例えば、グリーヴァは将来的に「伝説のSeeDの憧れの対象」として名前が残っている可能性もありますし、仲間達はGFグリーヴァを見たわけですからED後は少なくとも他の仲間達もグリーヴァの名前を知っているわけです。
そのため「未来ではグリーヴァの名前は別に秘密でもなんでもなかった」と考えることは可能です。
そして次が、ジャンクションすれば相手の思考をある程度読めるということ。
これは深層心理すべてを暴けるというわけではなく、またイデアのようにあえて心を明け渡すことで情報漏れを防ぐこともできるため、「リノアにジャンクションしたときにほんの直前に話をしていて強く心に残っていた=表に出ていて読み取りやすかったグリーヴァの名前は読み取ることが可能だった」と言うこともできます。
ただ、個人的には次の説を推奨します。すなわち「別にそれまで名前を知らなくてもドローしたときにGFの名前は分かる説」です。
FF8本編をやっていて、何度かGFをドローできる敵というのに出会ったことがあると思います。別にスコールたちは彼らの名前を最初から知っていたわけではないでしょう。ですが彼らをドローするとき、彼らGFの名前をスコールたちは把握しているのです。
つまりGFをドローすればそのGFの名前は何か小細工をせずとも理解できるし、事前にそのGFのことを詳しく知っている必要はないのです。
なのでアルティミシアはスコールからその強い思いを纏ったGFをとりあえずドローし、そこからそのGFの名前を読み取り、そしてそのまま召喚したと考えれば特に不思議なことはありません。つまりそれまでの時点でグリーヴァの名前を知っていてもいなくてもあの時グリーヴァの名を呼ぶことに影響はでないのです。
ということでアルティミシアがグリーヴァの名前を事前に知ることができる特に不自然でもない可能性は複数ある上に、そもそも事前に名前を知る必要すらないためグリーヴァの名前をあの時呼んだことはどの説を取ったところで矛盾しないという意味で特に根拠としては採用できないかと思われます。
解説本の情報だとグリーヴァ自身はスコールが思い描いた姿らしいという話も聞いたので、そうであればそもそもリノアとアルティミシアが同一人物であっても記憶を元にあのグリーヴァを呼んだという証拠にはならない(リノアの記憶にスコールの思い描いた理想通りのグリーヴァがいるのか? という問題)のでスコールからドローしたと考える方が自然かなと。
OPの羽が白ではなく黒である理由について
個人的に疑問なのはあれって別にリノアが出した羽ではないのでは? という点でしょうか。
戦う力(多少乱暴でも、前に進む、全身する力)=ガンブレードを振るうことにより黒い羽が切り払われ、その奥に隠されていた大切な人が出てきたのだと考えればむしろあれは悪いものに打ち勝った描写とも取れるんですよね。その少し前、スコールのガンブレードからは白い羽が出ていましたし。
あとはOPとEDが繋がっているので、あのシーンは再開と見せかけて絶望(宇宙服のリノアの顔パーン)のシーンとも考えられるので、再開ではなく絶望=悪い力のメタファーである黒い羽が舞っている、とも考えられます。
(サイファーとのバトルはスコールが保健室で起きる前の出来事であるとともに、EDとリンクしていてスコールが敵=記憶の混濁と戦っていることを示している、抱き着く寸止めのシーンは顔パーンとリンクしていてその後がEDのリノアがスコールのところにたどり着いたシーンである、とも解釈できますし、ガンブレードの音がリンク地点だと考えるなら絶望して気絶した後もそれでも実は心の中では抗い続けていて、リノアが駆けつけて周囲が花畑に変わっていくあたりでスコールも彼女の力を味方につけ=ガンブレードに白い羽を纏ってサイファー=敵=記憶の混濁に勝利して闇=黒い羽を切り払ってリノアと再会した、とも考えることもできます。ですがそれはあくまでそう解釈もできるという話で結局これもひとつの説にすぎません)
なのでこのあたりも解釈次第になるので否定はできない、そう考えることもできるけど明確な根拠として言い切りはできないかな、という部分かと思います。
魔力がオーバーフローするのではないかという話について
ループ構造だとすると魔力がオーバーフローするのではないかという話について。
魔女は同じ時代に一人しかいないわけではないことは現代にイデアとアデルという二人の魔女がいる(イデアはアルティミシアの力を継承する前からすでに魔女だった)ことから、魔女の力は複数に分かれている、魔女は一人ではないことが分かります。
であれば、元々は別の魔女から継承した力なので次世代への継承の時にリノアの力は分割譲渡された(リノアの直後の代ではなくてもっと先の代で分かれたのかもしれない)と考えるのが妥当かと思われます。
リノア=アルティミシアであると魔力がオーバーフローしてむしろいつか同じ未来が訪れなくなってしまいますが、リノアとアルティミシアが普通に別人で枝分かれして継承されたうちの一人、あるいは別のルーツを持った魔女だと考えるとオーバーフローすることはなくなるので、このあたりから考えても別人と考えた方が自然ではあります。
一応、リノアが力の一部だけを誰かに譲渡して魔女を続けながら別の魔女を増やしたと考えるなら同一人物説でも辻褄は合うのですが、そうするとわざわざ一部分だけを継承して魔女を増やしながら自分も魔女を続けた理由が見当たらなくなるので、やはりどうしても不自然さは出てきます。
とりあえずよく話題に上るあたりはこのあたりでしょうか。
結局のところ、今のところはリノア=アルティミシア説は今のところはよくて五分五分(同一人物だとも解釈できるがそれ以外の解釈の余地がないほどはっきりとはしていない)、割と根拠が薄い(強引にこじつけたらまあそうと言えなくもないけども普通に考えて矛盾の方が大きい)主張も多い、という程度ではないかと。
なので「そうだったら面白い、ロマンがある、可能性はある」という「説」でしかなく、公式だと主張できるほど強固な根拠があるわけではない、それこそせいぜいドラクエで言うテリー=エスターク説くらいのものでDQ6は天空シリーズレベルには遠く及ばない(程度の根拠しか作中では示されていない)話でしょう。
とは言え物語の設定はあとから増えたり裏設定(ゲーム本編には採用されてないけど脚本の人の頭の中だけでこっそり考えられてた設定とか)があったりもするので今後新たに今までの説がひっくり返るような情報が出てこないとも限らない、とも思います。つまり「説は説でありそれ以上でも以下でもない」ということかと。